只今仮閉鎖中。
2010.07.07 Wed
どんどんリヒテンから
離れてくよ/(^O^)\
今日は
菊とバッシュが
(殺し屋として)
出会った頃だよ\(^O^)/
「貴方がツヴィンクリさんですか?」
「何か用か?」
「私、本田と申します」
その男はにこにこと近寄ってきた。隣、いいですか、と聞いた割には返事も待たずに腰掛ける。
「最近事務所になかなかできる射撃手が入ったと聞きまして」
「それがどうした」
「是非、手を組ん「断る」
まだ言い終わってもない、と口を尖らせる男を横目に煙草に火を付けた。
外見からでは歳はわからない。ともすれば近いのかもしれないが、事務所の内情に詳しいところからすると、ベテランかもしれない。かといって上層部のような身なりや素振りもない。
それにこの表情。何も読み取れない。満面の微笑みは貼り付けたように崩れず、その奥を微塵も覗かせない。
「私ももう長いことやってきましたけどね、色々とガタが来てしまいまして」
「老いぼれの自傷など聞きたくもないのである」
「貴方に損はさせませんよ。年俸の1割を差し上げます」
「1割?」
我輩の不服を察したように内ポケットから契約書を取り出す。そこには目を見張る額の数字が並んでおり、益々こいつが何者なのかわからなってきた。
「私のお給料です。それから、」
そういうともう1枚紙を取り出した。街中でよく見る指名手配の張り紙だった。しかし名前は合ってこそすれ、似顔絵は全くの別人だった。そしてそこにも目の眩むような懸賞金の額があった。
「なかなか色んな人に狙われてましてね。貴方の探してる人にもその内襲われるかもしれませんよ」
「そんなこと、誰から聞いたのである」
明らかにおかしい。金が必要なこと、探している敵がいること、そして…
「リヒテ/ンシュタ/インちゃん、でしたっけ?彼女は今、私の家でお預かりしております」
間違いない。こいつは我輩をスカウトした男、我等の雇い主で生殺与奪を握る男、フェリシアーノ・ヴァルカスと繋がっている。下っ端ならボスと口をきくことはまずない。こいつは…
「今はエリザベータと湾が一緒に遊んでます。手荒な真似はしたくありませんが、どうします、お兄様?」
どれだけ頭を回転させても逃げ道が見つからない。仕方なく我輩は戦慄く手で白旗を降った。
奴の手から契約書を受け取る。
「…リヒテンを返せ」
「仕方ありません」
こうも簡単に堕ちるとは、とでも言う風に、如何にも面白くなさそうに肩を竦める。差し出された握手のための掌は取らず、初めて真っ直ぐに本田を見る。
「どうしてそこまで我輩を欲しがるのである」
「さて、どうしてでしょう」出した手を引っ込めて頭を掻きながら答える。「貴方に興味があるからですかね」
「気味の悪いことを」
他人と組むなど性分に合わない。だが今はリヒテンの安全が先だ。
「そうと決まればお仕事です。行きますよ」
「おい、ちょっと待て」
「ちゃんと給料分は働いてくださいねー」
そして菊も黒くなった←
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